2024-04-19

無料相談に従事するということ

 最近はSNSが当たり前の世の中になりました。
 そういった場所ではセンセーショナルな表現で目立つことが必要になります。その結果、注目度を上げるために敢えて過激な表現を使ったり、相手の怒りを買うという手法がありますが、税理士業界でもその動きが目立つようになりました。

 最近は「無料相談会に従事している税理士は(仕事のない人だから)ダメ」という内容でやり玉に挙げられていた方がおられましたが、基本的には無料相談会に従事している=暇ということは、ありません。
 税務相談などに関しては無償・有償関わらず税独占業務となっているために、税の無料相談を実施することは税理士の義務で、それをきちんと理解しているからこそ、忙しくとも予定を調整して従事している税理士の方が多いです。所属場所により登録者数が違いますので、所属している支部により希望者のみが当たるケースもあるのは確かですが、それを「仕事がないから・暇だから」と揶揄する税理士の方が、相手を尊重せず理解もせずに軽く考えているだろうと思います。

 私の話をすると、税の無料相談会に年1~2回ほど従事しています。
 個人的にはこういった無料相談会では、普段自分が見聞きするのとはまた違った方向の話を伺うことがありますし、色々な方に会ってお話ができるので、好きな仕事の一つです。スケジュール調整が難しい時期もありますが、割り当てがあれば予定を開けますし、担当者が見つからず困っている場合などにもなるべく引き受けられるようにはしています。

 ところでこういった無料相談会は、個別具体的な事例に関しては対象外となっています。「一般的な」内容に限り、たいていの場合で20~30分の範囲内で話が終わるものが前提ですね。
 理由としては、個別具体的な事例については税務判断の責任が生じるという点などがあります。判断が難しいものについてその場では即答できず結論も出せないものですので、その場合は無料を超えて個別に関与させていただく方がお互いにとっていい形になるかなと思います。
 ただしご依頼いただく場合は有料となりますので、無料の範囲でなんとか…と思われる方は、無料相談会よりも税務署に個別に聞かれた方が良いかもしれませんね。税務署も最近はこちらの無料相談会に遠慮なく回してこられるようなので、そういう方も来られますが…。

 いずれにせよ、判断の種類がいくつか考えられるような具体的な件に関しては、専門家であっても簡単に結論を出して助言できるものではないということを、皆さんに知っていただけると嬉しいなとは思います。

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