2024-10-31

年末調整

 年々、一年が経つのを早く感じるようになる理由として、5歳の一年は今までの1/5であることに対して、30歳の一年は今までの1/30で、分母がどんどん増えていくから…という話を聞いたことがあり、然もありなんと思ったことがありますが、年々本当に一年を早く感じます。

 この業界では、年末調整に利用する生命保険料控除申告書などが届いたのを見かけると、年末気分になるのが毎年恒例です。
 大企業など規模の大きなところは10月中に書類を集めるようですが、税理士事務所は給与ソフトのバージョンアップの頃。10月末~11月頭に始動することが多いのではないでしょうか。その後に関与先から書類を回収したりしますので、11月下旬から12月中旬が年末調整シーズンと言えるかもしれません。

  ちなみに、税理士事務所にとって年末調整事務というのは歓迎すべきことかというと、そうとは言いづらく、マイナポータル連携でさっさと年末調整が不要な時代にならないだろうかと思っている人が多いような気がします。私の事務所でもそうですが、年末調整・法定調書に関しては別料金をお願いしている事務所が多いので、無くなると売り上げが減るという実情はありますが、それ以上に、この一時に集まる煩雑さを回避したいというのが強い。


 扶養控除や配偶者控除などの人的控除については注意が必要なことが多いですが、特に生命保険料や地震保険料の控除に関してはAIでの自動化に最適なので、早くマイナンバー連携で簡単に終わらせられるようになってほしいなと願っています。今もマイナポータル連携機能がありますが、まだまだ一般的とは言いがたい。日本の場合はマイナンバーカードの導入方法にも運用にも失敗している現状があり、一般の方の抵抗心が強いようにも散見され、なかなか難しいのでしょうね。
 健康保険証については、窓口での保険証確認作業の時間効率だけを見ると紙が一番だなと実感していますが、健康保険の財源が逼迫していますし、海外からの旅行客などが代理利用をしている話などを聞くと、顔写真付きの本人のみ利用可能なものにすべきだとは思います。導入して何年か経つと、皆がなれてきて確認作業も早くはなっていくでしょうが、変遷期は難しいうえ、選挙の結果を考えるとまた停滞しそうな気もしますが…紙でもいいので、せめて健康保険証が顔写真付きになって代理利用がしづらくなると良いなと思っています。

 話がずれましたが、昔から何度か、年末調整を無くして確定申告に一体化すべきという話も出ています。源泉徴収制度自体が、多めに徴収して年末調整(または確定申告)で清算還付(または追加の納付)をする前提になっていますが、年末調整を無くして、清算還付を希望する人だけが自分で確定申告をすれば良いのではないかと。
 ただこれをすると、税務署がパンクすると以前から言われていますね。今は税務署の職員が更に減っていますので、そういう意味では確実にパンクするでしょう。
 電子申告が推奨されて久しいのは上記のような理由もあり、例えば海外の一部の国においては、日本でいうところのマイナンバー管理が徹底されており、納税者さん本人はデータで集まった結果について簡易な確認のみで全ての申告が完了するというような話を聞いたことがあります。
 日本もそこまで到達できれば年末調整制度はなくなるでしょうが、なかなか気長な話になりそうだな~と思いながら、私もそろそろ今年の年末調整の準備を始めましょう。

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